今使っているキッチンがいつまで使えるのか、気になる人は多いのではないでしょうか。キッチンのリフォームを考えるきっかけとしては、「設備が古くなり壊れた場合」「新しいキッチンの機能に興味がある」など、さまざまな理由があります。
キッチンは住んでいると、必ず一定の周期でメンテナンスが必要です。しかしタイミングを逃してしまうと、見た目を損ねるばかりか機器の故障にもつながり、リフォームの費用が高くなります。ここでは、キッチンの耐用年数やリフォームのタイミングかどうかを考えるポイントについて紹介します。
キッチンの耐用年数はどれくらい?
一般的に、キッチンの耐用年数は10年~20年と言われています。普段の使い方やお手入れによって違いはありますが、設備機器はおおむね15年程度が取り替え時期なので、設備機器が古くなり、故障や不具合が出てきたらリフォーム時期です。また、「新しい機能に興味が湧いた」や「キッチンの使い勝手を良くしたい」などの理由でリフォームをする人も増えています。
キッチンリフォームをするべきタイミング
ここからは具体的に、どのようなときにキッチンのリフォームをするべきかを紹介します。
設備機器が古くなったとき
設備機器が古くなり、故障や不具合があるとリフォーム時期です。次の5つのポイントをチェックしてください。
・キッチンの天板やレンジフードについた油汚れやカビが取れない
・キッチンの土台や下地が痛み始めている
・蛇口やシンク下の排水管から水漏れしている
・排水溝が詰まったり、臭ったりする
・食洗機やIHクッキングヒーター、ガスコンロなどで故障がある
これらの不具合があると、リフォームを考える時期です。
新しい機能を試したいとき
新しいシステムキッチンの機能と比べると、古いキッチンはどうしても見劣りしてしまうものです。機能や使い勝手が充実し、忙しい人のための便利な機器が増えたため、新しい機能がついたキッチンへのリフォームを検討するのも良いでしょう。
家族構成の変化に対応したいとき
出産や同居によって家族構成が増える場合、今のキッチンでは狭かったり使い勝手が悪かったりということがあります。こうした不満があるときは、リフォームのタイミングです。
物が増えて収納が足りなくなったとき
家族の人数が増えると、それに合わせて物が増える傾向にあります。この場合、「キッチンの収納が足りない」という問題が出てくるため、リフォームを検討をする時期です。
新しいシステムキッチンは収納が充実しているものが多く、快適に家事をすることができます。
キッチンの使い勝手を良くしたいとき
自分に合うキッチンを選ぶことで、家事の効率が上がります。「キッチンの高さは自分にあっているのか」「調理をするときに、動きのムダを省きたい」「対面キッチンにしたい」など、「今のキッチンに少し不満がある」「理想とするキッチンのイメージがある」のような場合も、リフォームを考える時期です。
パーツ別、交換の目安と選び方のポイント
キッチンの設備を天板やシンクといったパーツ別に、交換の目安と自分に最適なキッチンの選び方を紹介します。
「天板(トッププレート)」交換のタイミング
天板は家事をするときに傷つきやすい部分です。天板の種類には「人造大理石」と「ステンレス」があります。どちらも機能的に差はありませんが、人造大理石は重たいものを落として欠けてしまったり、熱いものを置いたときに変色してしまったりします。ステンレスは長く使っていると、カビや錆(さび)が付きます。
天板の交換時期は、「汚れや傷がひどいとき」です。天板は基本的に湿気や熱、汚れに強いものが多いですが、ひどく傷ついている場合は、水などがこぼれると染み込んでしまうため、交換をおすすめします。
「天板」を交換するときのポイント
人造大理石は質感が美しく、キッチンのデザイン性を重視したい人におすすめです。ステンレスは汚れ落ちが良く、耐久性に優れています。
キッチンの雰囲気や使い勝手を変えたいときには、天板の交換を考えてみてください。システムキッチンには天板の色が豊富で、自分好みのキッチンを作ることができます。
「シンク」を交換するタイミング
シンクの素材には、「ステンレス」や「樹脂素材(人工大理石)」があります。樹脂素材とは大理石の代用品として使われているもので、プラスチックでできています。
ステンレスのシンクはサビに強いですが、鉄製の鍋などをシンクに置いておくとさびてしまうことがあります。一度さびてしまうと、掃除が大変です。そのため「サビがひどく」なってきたら、シンクの交換をするタイミングです。
樹脂素材は熱で変色することがあります。また、調味料などが付いたまま放置することでも、変色してしまいやすいです。さらに樹脂素材は傷つきやすいため、長年使っていると傷が目立ってくることもあります。こうした場合には、交換をおすすめします。
「シンク」交換のポイント
シンクにも色々あり、どのシンクも機能性が高くなっています。シンクは奥行きが50cm前後の広いものが標準で、大きな鍋も楽に洗えるようになっています。
シンクはゴミが発生しやすい場所のため、「生ゴミが処理機に自動で入るタイプ」のものが便利です。また、「水道水が跳ねる音を抑えるシンク」もあります。手入れのしやすさや、効率的に調理できるかどうかをチェックして、リフォームを考えてみてください。
「水栓」交換のタイミング
水栓は10年程度が交換の目安です。水道から高い音が聞こえたり、水漏れなどのトラブルが起きたりする場合、パッキンが劣化しています。このような場合には交換をおすすめします。
「水栓」交換のポイント
水栓にはいくつか種類があります。たとえば、「水流が広がりやすいシャワー水栓」や「引き出して長くなるホース式のシャワータイプ」などがあります。素早く洗い物ができるように、「タッチレスの水栓」を選ぶのも良いです。また、最近のシンクは大型化している傾向にあるため、内部の掃除をしやすいホース式のタイプを選ぶのも良いです。水栓は使い勝手を重視して選ぶと、長く快適に使えます。
「排水管」交換のタイミング
排水管とは、「キッチンのシンクから下水管つながっているホース」のことです。排水管が劣化してくると、嫌な臭いがしたり水漏れしたりといったトラブルが発生します。おおむね10年ほどが交換の目安です。キッチンを長年使っていると排水管がもろくなって外れてしまったり、亀裂が生じたりすることがあります。こうした場合は交換のタイミングです。
「排水管」交換のポイント
排水のホースを交換することで、問題を改善できる場合があります。水漏れやつまりを防ぐために、定期的に専門業者にメンテナンスをしてもらうと良いでしょう。
「IHクッキングヒーター」交換のタイミング
IHクッキングヒーターはおおむね10~15年程度が交換の目安になります。10年未満でも、故障が続いたり天板のガラス面にヒビが入ったりしていれば、交換をおすすめします。
「IHクッキングヒーター」交換のポイント
IHクッキングヒーター選び方は、「どのような機能をつけたいか」を基準に考えると良いでしょう。通常のIHクッキングヒーターは使える鍋が限られていますが、「オールメタルタイプ」を選べばどの鍋も対応可能になります。
また、IHクッキングヒーターに合わせて付いているグリルは受け皿に水を入れなくても調理でき、油の飛び散りをガードして、お手入れが楽なものが増えています。庫内が大きくなっていて、一度にたくさんの魚が焼けたり、煙や臭いをカットしたりする機能が付いているものもあります。
トッププレートの幅や機能によって価格が変わってくるので、キッチンの広さやほしい機能を考えて、IHクッキングヒーターを選ぶと良いでしょう。
「ガスコンロ」交換のタイミング
ガスコンロはおおむね10~15年が交換の目安になります。「火がつかない」「火力が変わらない」「途中で火が消える」などの不具合がある場合は、交換をおすすめします。
「ガスコンロ」交換のポイント
最近のガスコンロは安全センサーが搭載されており、自動的に火力を調節したり空焚きを防止したり、消し忘れを自動的に消火してくれたりします。
また、「揚げ物をするときに温度調節をすることができる機能」や、「自動炊飯」「自動調理」「湯沸し」など、他にもさまざまな機能が充実したガスコンロがあります。さらにグリルには付属の浅型プレートや深型鍋の専用料理容器が付いており、油の飛び散りを防ぎさまざまなメニューを調理できます。
五徳(ごとく)が簡単に外せて凹凸のない天板が増えているので、以前より掃除がしやすくなっています。
価格が5~20万円と幅が広いため、どのような機能が欲しいのか、デザイン性にどこまでこだわるかで選んでください。
「ビルトイン食器洗い乾燥機」を交換するタイミング
出典:LIXIL
食器洗い乾燥機は10年程度が交換の目安です。「水漏れ」や「電源が入らない」などの不具合が生じてきたら、交換の時期です。不具合だけでなく、「もっとたくさんの食器を洗いたい」「汚れ落ちがいまいち」「調理器具も一緒に洗いたい」などの不満がある場合は、交換を検討すると良いでしょう。
「ビルトイン食器洗い乾燥機」の交換ポイント
食器洗い乾燥機は、頑固な汚れを落としたり省エネや節水をできたりするものが増えています。
扉の種類は、「引き出し式」と「フロントオープン式」があります。引き出し式は、腰をかがめずに食器の出し入れができます。フロントオープン式は、容量が大きく、たくさんの食器が入るようになっています。目安として、幅が45cmのタイプは家族4人分程度の食器が収納でき、60cmのタイプは家族12人分程度の食器が入ります。
家族の人数や日頃から使う食器の数、キッチンの大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。
「レンジフード」を交換するタイミング
レンジフードは10年程度が交換の目安です。レンジフードの回りや壁が油で汚れると、モーターが劣化して煙を吸い込むことができなくなってしまいます。また、異音や振動が生じたときも、交換を考える時期です。
「レンジフード」交換のポイント
レンジフードはダクトを通じて排気口まで油煙を誘導する「シロッコファン」が一般的になってきています。従来のプロペラファンより吸引力が強く、IHクッキングヒーター対応の機種もあります。
対面式のキッチンでは、機能が充実したデザイン性の高いものが人気です。コンロと連動して自動的に稼動を始めたり、炎や煙の状況を察知して自動的に風量の調節を行ったりするものもあります。
また、フィルターが取り外しやすく、自動洗浄の機能が付いているものもあります。機能やデザイン性、掃除のしやすさを考えて選ぶと良いでしょう。
まとめ
ここでは、「キッチンのリフォームをするタイミング」や「キッチンの部位別交換を考えるポイント」を紹介しました。毎日の生活に欠かせないキッチンの不具合はとても困ります。
キッチンで快適に調理するためにも、交換のタイミングを見極めてください。また、好みや使いやすさを重視して機器や機能を選ぶことが、素敵なキッチンリフォームに繋がります。