キッチンからの空間をどのようにリフォームしたいでしょうか。「みんなとわいわい料理がしたい」「子どもたちの様子を見ながら作業したい」「1人で料理に専念したい」など、「キッチンに立つときにしたいこと」がありますよね。
我が家は「オープンの壁付けI型」という間取りです。この間取りはオープン(ダイニングとキッチンがひとつの空間になっていること)なので、子どもたちは自由に行き来できます。ただ、自分が振り向かないと、子どもの様子は見えません。
私は長男が宿題をしているときに夕飯を作ることが多いです。このときに子どもから「勉強をしていて、ここの意味が分からない~」と言われても、宿題の内容が見えず、手を止めて教えに行くのも大変です。こんなとき、「対面キッチンにリフォームしたら、子どもの様子を見ながら料理できるのにな」と思います。毎日のことなので、生活に合わせた間取りを選択して、使い勝手の良いキッチンにすることは大切ですよね。
ここでは、「キッチンの間取りやレイアウトには、どのような種類があるか」について紹介します。
1.キッチンの種類
キッチンの種類には、「システムキッチン」と「造作キッチン」があります。
システムキッチンは、「各メーカーが販売しているパーツを選び、自分好みの配置にして作るキッチン」です。メーカーが販売しているキッチンのパーツは、キャビネット、コンロ、シンクなどがあります。それぞれについて、寸法や色、素材などのバリエーションが豊富です。メーカーや商品ごとにパーツの特徴があるため、好みのものを購入しましょう。
以前、ショールームの展示に行った時、親切にメーカーのスタッフさんがシステムキッチンについての説明をしてくれました。そのときは実際に油の汚れを落として、掃除のしやすさを体感させていただいたのが印象的でした。ただ、そのときに見学したキッチンはとても大きく、「こんなに大きなキッチンは我が家には入らないな」と思いました。システムキッチンは間口(下に図で説明しています)や奥行きに規格があるため、メーカーのショールームに行く場合は「キッチンを設置したい場所の寸法を測ってから向かう」ことをお勧めします。
間口のサイズは、一般的に210cm、225cm、240cm、255cm、270cmになっています。
造作キッチンは「職人さんが手作りしたキッチン」です。素材、寸法、設備、収納の数まで、自由に決めることができます。造作キッチンは、「キッチンを自分のオリジナルのデザインにしたい人向け」です。
また、造作キッチンはパーツ1つ1つを選べるため、コストをコントロールしやすいです。ただ注意するべきこととして、「職人さんが普段料理をする人とは限らない」という点があります。日頃の動線(料理をするときに通る経路。例えば冷蔵庫から食品を取り出し、調理台で切るなどして、最後に焼く、などの動作をする経路を動線と言います。)や不満点をしっかり職人さんに伝えて、一緒にあなたのキッチンを作り上げてください。
また、キッチンは「自分の体に合った高さのもの」を選ぶと使いやすいです。キッチンの最適な高さは、「身長÷2+5cm」と言われています。システムキッチンの高さは、一般的に80cm、85cm、90cmとなり、身長157cmのわたしの場合は、83.5cmとなるため、80cm~85cmくらいになります。
私のように計算結果が「中途半端な数字」になる場合、自分に合った高さのキッチンがない場合があります。もし自分に合った高さのキッチンがない場合は、「料理中何に不満を感じるか」で選ぶのが良いです。「洗物が苦手ですぐ腰が痛くなる」このような場合は少し高いサイズに。「コンロやIHクッキングヒーターを使いやすくしたい」このような場合は少し低いサイズを選ぶのがお勧めです。
また、キッチンのオプションで「掃除が簡単なレンジフード」や「大容量の食器洗い乾燥機」「ビルトインの浄水器」などもあります。キッチンの使い勝手やメンテナンスのしやすさを考えて、これらを検討してみるのも良いでしょう。
2.ダイニングとキッチンの間取り
ここからは、キッチンにはどのような間取りがあるかを説明します。
独立型
独立型の間取りは、リビング、ダイニングから独立したタイプのキッチンです。料理中の音や匂いが気にならず、集中して調理できます。ただ、家族などとのコミュニケーションはとりにくいです。
オープン型
オープン型の間取りは、ダイニングとキッチンスペースがひとつの空間になっています。
「アイランド型(キッチンの両端が壁から離れていて、カウンターが島のようになっているキッチンのタイプ)」 や 「対面型(ダイニングに面したキッチンのタイプ)」 に設計すれば、料理をしながらダイニングの様子を伺うことができます。そのため、家族とのコミュニケーションをとりやすいです。
セミオープン型
セミオープン型の間取りは、キッチンとダイニングの間を仕切ります。ただ、適度な「開口部」を設けます。キッチンを対面型にし、少しの壁で仕切ることによって適度な開口部となり、後ろの調理スペースや料理をしているときの手元をある程度は隠せます。オープン型キッチンほどではありませんが、ダイニングを見渡すことができるため、家族とのコミュニケーションを取ることができます。
システムキッチンの後ろにある収納や料理中の手元が見えるのが嫌な場合は、「開口部を最小にする」という方法もあります。つまり仕切る壁を増やします。
キッチンの上に吊戸棚を設置すれば必然的に壁が出来ます。また、収納が増えるのでこちらのタイプもおすすめです。ただ、リビング、ダイニングは見渡しにくくなります。
3.キッチンのタイプ
ここからは、キッチンのタイプについて説明します。
I型
I型キッチンは、壁や窓につけるようにして設置します。料理は横に動くだけですが、家族との会話をするためには振り向かなくてはいけません。オープンなので、人の様子を見やすいです。
L型
L型キッチンは動線が短いため、料理をするときの作業効率が良いです。コーナー(L型キッチンの角部分)がデッドスペース(使いにくい空間)になりやすいので、活用方法を考える必要があります。L型は複数人で料理をするためにも向いています。
U型
U型はシンクやコンロ、調理器具などがU字に配置されていて、作業効率が最も良いため、独立型やセミオープンのキッチンに向いています。収納や作業スペースをゆったりとれるため、複数人でも効率よくキッチンを使えます。
対面型(ペニンシュラ型)
セミオープンの配置に多いのが、対面型キッチンです。ダイニングに面したキッチンですが、コンロ部分にのみ壁を設け、油が飛び跳ねても安全なように配慮されています。一部に開口部を設けることで、家族とのコミュニケーションをとりながら料理できます。
対面型(アイランド型)
アイランド型キッチンは両端が壁から離れていて、カウンターが島のようになっています。両端から行き来でき、キッチンの周りを囲むことができるので、大人数で料理ができます。
Ⅱ型
Ⅱ型キッチンは、シンクとコンロを平行に配置したキッチンです。収納スペースがたくさんあり、複数人でわいわい料理ができます。シンクとコンロが横並びではないため、振り向きの動作が必要なときがありますが、移動しなくても料理をすることができます。U型と並んで作業効率の良いキッチンです。
おわりに
ここでは、キッチンの「間取り」と「タイプ」について紹介してきました。素敵なキッチン空間がイメージできましたか? まずは独立型、セミオープン、オープンなどの「間取り」を決めてみてください。そして間取りが決まったら、次にキッチンのタイプを決めてみましょう。「どのような生活空間にしたいか」を考えて整理して、心地よいキッチンを作れるように検討してください。